前回は、私の知っているスゴ腕の販売員!
チョウチンアンコウさんをご紹介しました。
今回は、店舗に立つと人が寄って来る、そんな男性販売員の話です。
見た目は普通の男性販売員
百貨店で働いている男女の比率は、3:7と言われています。
インフォメーション、エレベーターガールなど、華やかなイメージを演出するために女性が多く、百貨店では欠かせない存在です。
そんな中、経営企画室やMD戦略部、また裏方の仕事など男性も多く在籍しています。
販売員はというと、女性8:男性2と言われるぐらい女性が圧倒的で、男性販売員はそんなに多くないのです。
しかし、販売員で目立つのは、大きい声で声がけをするデパ地下の販売員や男前のアパレル販売員などではないでしょうか?
今日は、見た目は普通の男性販売員について見ていきましょう。
その男性が売り場に立つと・・・
その男性販売員は、午前中あまり売り場にいません。
その販売員は、だいたい午後から売り場に出てきます。
百貨店では、午前中ピークがあり、そのあと、ランチタイムの時間帯。
その後、14時から16時半ぐらいまでは、アイドルタイムと言ってお客様が少なくなり、売り場ではピークに向けて準備をする時間帯となっています。
しかし、その男性販売員が売り場に立つと、お客様が一人、二人と何故か近づいて来ます。
何をしているのかと思うと、ただ話をしているだけ!
本当に世間話をしています。
これも売り場の雰囲気作りの為らしい?
お客様を見てみると、かなり年配のおばあちゃんや40から60歳までぐらいの女性と話しているだけなのです。
しかし、その販売員の動きを見ていると、話しかけている女性は全く見ていません。
あとで話を聞くと、『そうなんですよ〜売り場の雰囲気を明るくするため』と『周りのお客様に売り場の商品を見てもらうためにわかっていて世間話をしている』との事でした。
それは何故かと聞いてみると、こんな話をしてくれました。
『もし、あなたがアパレルの売り場に買い物に行ったとしましょう。そこで、すぐに販売員が現れてこれどうですか?なんて話されたり、しつこく付きまとわれるといやになりませんか?』と話し出したのです。
どんな売り場でも同じ事
商品は違うけれども、お客様の心理は同じです。
売り場の商品を見たいけれども、販売員の監視に近い接客では、見たいものも見れない。
販売員が違うお客様を接客していれば、そちらに集中してしまうので横から覗いても、あまり干渉されない状況なので商品が見やすくなるというのです。
この男性販売員は、お客様にわざと隙を与えて、売り場を見てもらうために偶然を装い仕掛けていたのです。
本当に見た目は、普通の販売員です。
でも、知らない間にお客様が近寄って来る、まさに経験者ならではの技と視点。
この販売員は、最後の閉店前、必ず商品が余ることなく、すべて完売させる技術も兼ね備えています。
次は、スゴ腕販売員が閉店前の値引きについて聞かせてくれたので、少し話したいと思います。